【医療・介護あれこれ】第10回花立セミナーに寄せて

長 幸美

アドバイザリー

1先日、宮崎県日南市で行われた「第10回 花立セミナー」に参加してきました。
「花立セミナー」とは、宮崎県日南市の県立日南病院の医療管理部医療連携科の部長である木佐貫 篤先生が、10年前に立ち上げられた「事務職員のための勉強会」です。
ホテルジェイズ日南リゾートがある「花立高原」がこのセミナーの名称の由来とのことですが、今年も激しい雨をものともせず、北は石川県から南は鹿児島まで、15病院・医院とそのほか協力機関の職員33名の受講者が集い、とても熱いセミナーが行われました。

2私は、病院勤務時代にこのセミナーを知り、第4回に初めて参加して「事務職員ってこんなに活躍する場があるのか」と衝撃を受けたのをよく覚えています。SWOT分析やBSCなどの考え方を学び、「医事課から見た病院」しか知らなかった私が、「何かでナンバー1になる病院」という課題にグループの皆さんと役割を分担しながら議論を重ね、地域連携の視点や広報の視点、マネジメントの視点を学ばせてもらった貴重な学びの場でした。

それと同時に、今の私の基盤を作ってくれた場でもあります。
この会は、合宿研修であり、今回も盃を酌み交わしながら、病院の悩みや頑張ってこられた先輩方の生の声を聴くことができます。地域連携室や医事課の責任者、事務部長などの役職者もいれば1スタッフの参加もあり、若いスタッフは大いに刺激をうけて、思いっきりモチベーションが上がった状態で病院の日常に戻っていきます。

3基調講演は「激動の時代の事務職員のあり方とは」というテーマで、済生会神奈川県支部支部長の正木義博支部長のお話がありました。この外部環境の変化に対応していくための「マネジメントの重要性」「職員のモチベーション」をいかに上げていくのか、質の向上が最も求められているというお話しでした。その中で、改めて「事務職員の役割の大きさ」に触れ、マネジメントスタッフとして私たち自身も変化していかなければならないことを感じました。

今年は10回目の記念企画として、過去にこのセミナーを受けた受講生 3名の体験談「学んだことをどのように実践してきたのか」をお聴きすることができました。それぞれの舞台で活躍されている様子をお聞きして、良い刺激になりました。

また、今回は接遇の研修も準備されていて、なんとその講師の方もこの花立セミナーの1期生の方、縁結実代表の重田由美さん・・・声も立ち居振る舞いもとっても素敵な方で、私も人前で話をするときにはTTPの精神で、まねをして「女優力」を磨きたいな、と思いました。
接遇は、「つながる心」が大事で、これは連携マインドであること、「地域包括ケアシステム」の根幹であり、双方向のコミュニケーションを行う上では、とても大事であること、その第一歩は「無知の知」「自分自身を知る」ことで、知っているつもりでも相手にきちんと伝えていくことはむつかしいことなど・・・実習を交えてのお話は楽しくて、あっという間の90分でした。挨拶一つにしても「相手に関心があるか?」ということが重要だということを改めて感じました。

2日目は「地域包括ケア時代の医療機関経営」~その中での事務職の役割について、4名の講師の講演がありました。
「地域包括ケアシステムってなんですか?」という質問をよくお聞きします。地域医療構想が少しずつ形となっているところだと思いますが、今回のテーマはまさしくタイムリーな話題で、特に地域とのかかわり方や「町づくり」「広報」の考え方など、とても興味深いお話しでした。地域で頑張っていらっしゃる皆様に寄り添う「相談屋」として何ができるのか?考えるうえでたくさんのヒントをいただきました。
また、日南市油津商店街の活性化・町づくりの取組は、とても興味があります。一番初めに参加したときには、商店街がとてもさみしくて、病院の食堂で昼食をとりました。けれど、この2年はとても活気が出てきて、おいしい食事ができるお店もありました。
4

印象深かったのは、「まちづくりはリハビリテーションのようなもの。単に回復させるだけでなく、いかに長く続けるか、どう支援していくかが重要」との言葉です。

実は、医療機関も介護施設も大小さまざまありますがこの一言に集約されるのではないでしょうか。感慨深い言葉ですね。
「花立セミナーは」とても学びの多い、考えることの多い2日間でした。
講師の先生方、事務局の皆さん、参加された皆さん、ありがとうございました。
また、来年お会いしましょう!

コラム読者の皆さんも一度参加して見られませんか?
きっと新しい出会いと、目から鱗の学びがあると思います。

ご興味がおありになる方は、「花立セミナー」「県立日南病院」で検索してみてください!!

経営コンサルティング部
経営支援課

制作者の直近の記事

コラム一覧に戻る
お問い合わせ

PAGE TOP