秋の接遇ポイントを意識しましょう

長 幸美

医療介護あれこれ

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

今年の夏は酷暑・・・各地で最高気温が更新され猛暑日の連続記録が続いていました。
処暑を過ぎても、まだまだ35℃を超える日が続いています。その最中でも少しずつ秋の気配を感じられます。

さて、秋は気温差や台風、花粉症など、患者さんの体調に影響する要素が多い季節でもあります。
受付での小さな声かけや工夫が「安心感」や「信頼感」につながります。
今回は、秋ならではの接遇のポイントを4つ挙げてみました。スタッフ皆さんで意識を共有し、日々の対応に活かしてみませんか。

① 季節の変わり目を意識した声かけ

朝晩は冷え込み、昼間はまだ暑い日もあります。体調を気遣うひと言が効果的です。
忙しいからと言って、何か作業をしながら、下を向いたまま、機械的に「おはようございます」「こんにちは」と言っていませんか?
受付をするときにチョッと顔を上げて、
「〇〇さん、おはようございます。朝晩が冷えますね。体調お変わりないですか?」
と意識して声をかけてみましょう!

✅ チェックリスト
 ▢名前を呼んで挨拶できましたか?
 ▢季節に触れた挨拶ができていますか?
 ▢患者さんの表情や様子を観察し、声をかけられていますか?

② 秋特有の健康トピックに共感する

秋は花粉症や乾燥による体調不良、台風シーズンなどの被害が心配されることがあり、さらに新学期が始まってストレスも溜まりがちです。特に今年は長引く「酷暑」や「日照りによる水不足」などによる蓄積した熱疲労や熱中症とまではいかなくても、何となく身体の不調が続いているという方も多いのではないでしょうか?
このような時には、共感の言葉が安心につながります。

「今日も暑いですね~眠れていますか?」「学校が始まって(新学期)どうですか?」「今回の台風は風が強かったですね、お変わりありませんか?」など、新学期等の環境変化や気候の変動による体調の変化等、共感するとともに気遣う言葉かけができるといいですね。

✅ チェックリスト
 ▢季節に多い症状や健康話題を把握していますか?
 ▢「共感の言葉」を自然に添えられていますか?
 ▢天候の変化や台風など、話題提供ができていますか?

③ 行事や生活をきっかけにした会話

敬老の日・運動会・紅葉・お月見など、秋の行事は患者さんとの話題づくりになります。
運動会や文化祭など、秋は行事が目白押し。また、酷暑を乗り切った後のすっきりとした季節は、行楽にももってこいですよね。
身体の不調とは別に、このような楽しい会話でリフレッシュして、にっこり笑って帰ってもらうのも、良いのではないでしょうか?

✅ チェックリスト
 ▢季節の行事を話題にできていますか?
 ▢患者さんの年代や家族背景に合わせて会話を選べていますか?
 ▢地域の行事や楽しい時間の共有することができていますか?

④ 受付や待合室の季節演出

小さな飾りや掲示物の工夫で、温かい雰囲気を演出できます。大げさな飾りつけではなくても、入り口や受付カウンターの一角に季節の設えをするだけで雰囲気が柔らかくなり、ホッと一息つけることもあります。私が訪問する医療機関では、風除室や検査室・レントゲン室等の入り口横に、その月ごとの小物やカレンダーを置かれていました。ある病院では、お手洗いの洗面台横にデイケアの方が作られた作品が飾られ、折々の季節が感じられていいなと思います。

✅ チェックリスト
 ▢季節感のある掲示や小物を取り入れていますか?
 ▢天候に応じた気遣い(傘袋やお声かけ、タオルの準備等)ができていますか?
 ▢既製品ではなく、利用される方の作品を活用されていますか?

まとめ

接遇の基本は「笑顔」「丁寧な言葉づかい」ですが、そこに季節のひと言や小さな工夫を加えることで、クリニック全体の雰囲気がより柔らかく、温かくなります。
この秋も「安心して通えるクリニックづくり」のために、4つの接遇ポイントを意識して取り組んでいきましょう。

著者紹介

長 幸美
医業経営コンサルティング部 医業コンサル課 シニアコンサルタント

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