『“独身税”じゃない?新しい子育て支援制度のしくみとねらい』 

篠原 美穂

税務・会計

本コラムの内容は、執筆時点での法令等に基づいています。また、本記事に関する個別のお問い合わせは承っておりませんのでご了承ください。

“独身税”という言葉がひとり歩きしていますが、これは新しい税ではなく、医療保険料に加算される“子育て支援金”です。特定の人だけが負担するものではなく、みんなで子育てを支えるための制度です。 

  1. 制度の概要 
    2026年度から、「子ども・子育て支援金制度」がスタートします。 
    この制度は、少子化対策の一環として、子育て世帯を社会全体で支えるための新たな財源として設けられるものです。 
    子育て家庭の負担が大きくなっている現状を受けて、国は「こども未来戦略」に基づき子ども政策の強化を進めており、本制度はその中核を担います。 
    特定の層だけでなく、広くみんなで支え合う仕組みとして設計されています。 
  1. 制度の仕組み 
    この制度は、「税金」ではなく「社会保険料」として徴収されます。 
    具体的には、私たちが加入している医療保険(健康保険や国民健康保険など)に、少額が上乗せされる形となります。 
    ◎一人あたりの平均月額(予定) 

※独身の方にだけ負担が求められるものではなく、全世代が対象です。 

  1. 支援金の使い道 
    集めた支援金は、次のような「こども政策」の充実に使われます
    ①児童手当の拡充(所得制限撤廃/高校生年代まで延長/第3子以降に手当増額) 
    ②妊婦のための支援給付(妊娠・出産時に5万円ずつの支援給付)
    ③こども誰でも通園制度(柔軟な保育施設利用) 
    ④出生後休業支援給付(育休取得者に手取り10割相当の給付)
    ⑤育児時短就業給付(時短勤務中のパパ・ママに賃金の10%を支給) 
    ⑥国民年金第1号(自営業者など)の育児期間中の保険料免除(子が1歳まで) 
  1. 最後に 
    誰もが安心して子どもを育てられる社会をつくるために。支援金制度をきっかけとして、社会全体で子育てを支える意識が広がっていくことを願います。 

・制度概要に関するリーフレット 
こども家庭庁公式リーフレット(制度全体概要) 

(確認日:令和7年7月9日) 

著者紹介

篠原 美穂
税務会計コンサルティング部 税務会計3課

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