【平成30年度診療報酬・介護報酬】通所リハビリテーション

長 幸美

アドバイザリー

<参考>【速報】平成30年度診療報酬改定資料 告示出ました!

【総論:介護報酬改定のポイント】

◆医療と介護同時改定に込められたメッセージ

⇒キーワード・・・連携(地域内連携、多職種連携)と重症化予防

診療報酬は、アウトカム(成果)を出す・・・実績評価を導入

介護事業は、自立支援、重度化予防、看取りと連携・・・介護保険の目的

◆「介護医療院」・・・一般病棟15対1、療養25対1、介護療養、転換型老健の受け皿

⇒「生活の場」を確保しつつ、自宅へ帰ることができない方への配慮(暮らしの場の提供)

◆共生型サービスの位置づけ・・・次期改定へ向けての布石

⇒介護保険サービスへの参入(施設基準の緩和)

 

【通所リハビリテーションの改定点】

①医師の指示の明確化等

②リハビリテーション会議への参加方法の見直し等

③リハビリテーション計画書等のデータ提出等に対する評価

④介護予防通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算の創設

⑤社会参加支援加算の要件の明確化等

⑥介護予防通所リハビリテーションにおける生活行為向上リハビリテーション実施加算の創設

⑦栄養改善の取組の推進

⑧3時間以上のサービス提供に係る基本報酬等の見直し等

⑨短時間リハビリテーション実施時の免責要件等の緩和

⑩医療と介護におけるリハビリテーション計画の様式の見直し等

⑪介護医療院が提供する通所リハビリテーション

⑫介護職員処遇改善加算の見直し

 

※通所リハビリは介護保険サービスであるにもかかわらず「医療行為」であることがポイントです。このため、「医師の指示」が必要であり、「アウトカム(成果)」を出すことが求められます。

 

 

【基本報酬の見直し】

⇒3時間以上のサービスについて、1時間ごとの評価体系へ変更・・・通所介護と合わせる

 

◆基本報酬

<予防通所リハビリテーション>

図1

 

<通所リハビリテーション>

図2

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)          330単位/月

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)

       開始日から6月以内                               850単位/月

       開始日から6月超                               530単位/月

 ※リハビリテーション計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が説明する場合

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)

       開始日から6月以内                                1,120単位/月

       開始日から6月超                               800単位/月

 ※医師が説明する場合

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)

         開始日から6月以内                                1220単位/月

         開始日から6月超                               900単位/月

 ※3月に1回を限度とする

 

<算定要件等>

1 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)

次に掲げる基準のいずれにも適合すること

(1)通所リハビリテーション計画の進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて計画を見直していること

(2)通所リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護の事業その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従業者に対し、リハビリテーションの観点から、日常生活上の留意点、介護の工夫等の情報を伝達していること

(3)新規に通所リハビリテーション計画を作成した利用者に対して、通所リハビリテーション事業所の医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、計画に従い、通所リハビリテーションの実施を開始した日から起算して1月以内に、利用者の居宅を訪問し、診療、運動機能検査、作業能力検査等を行っていること

(4)通所リハビリテーション事業所の医師が、通所リハビリテーションの実施に当たり、事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士に対し、利用者に対するリハビリテーションの目的に加えて、リハビリテーション開始前又は実施中の留意事項、やむを得ずリハビリテーションを中止する際の基準、リハビリテーションにおける利用者に対する負荷等のうちいずれか 一以上の指示を行うこと

(5)(4)における指示を行った医師又は当該指示を受けた理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が当該指示の内容がに掲げる基準に適合するものであると明確にわかるように記録すること

 

【以下の内容を通知に記載する】

医師が当該利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書の備考欄に継続利用が必要な理由、その他の指定居宅サービスへの移行の見通しを記載すること。

 

2 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)

次に掲げる基準のいずれにも適合すること

(1)「1リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)」の基準(4)及び(5)に掲げる基準に適合すること

(2)リハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、リハビリテーション会議の内容を記録すること

(3)通所リハビリテーション計画について、計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得るとともに、説明した内容等について医師へ報告すること

(4)通所リハビリテーション計画の作成に当たって、計画の同意を得た日の属する月から起算して6月以内の場合にあっては1月に1回以上、6月を超えた場合にあっては3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、利用者の状態の変化に応じ、通所リハビリテーション計画を見直していること

(5)通所リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、介護支援専門員に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法及び日常生活上の留意点に関する情報提供を行うこと

(6) 以下のいずれかに適合すること

①指定通所リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、宅サービス計画に位置付けた指定訪問介護の事業その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従業者と指定通所リハビリテーションの利用者の居宅を訪問し、従業者に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと

②指定通所リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が指定通所リハビリテーションの利用者の居宅を訪問しその家族に対し、リハビリテーションに関する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと

(7)(1)から(6)までに掲げる基準に適合することを確認し、記録すること

 

3 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)

次に掲げる基準のいずれにも適合すること

(1)リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の(1)(2)及び(4)から(6)までに掲げる基準いずれにも適合すること

(2)通所リハビリテーション計画について、通所リハビリテーション事業所の医師が利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得ること

(3)(1)及び(2)に掲げる基準に適合することを確認し、記録すること

 

4 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)

以下の内容を算定要件とする

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)の要件に適合すること

・指定通所リハビリテーション事業所における通所リハビリテーション計画書等の内容に関するデータを、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加し、同事業活用しているシステム(VISIT)を用いて厚生労働省に提出していること

 

 <医師の会議への参加について>

・構成員である医師のリハビリテーション会議への出席については、テレビ電話等(テレビ会議システムの他、携帯電話等でのテレビ電話を含む)を使用してもよいこととする。

<医師に代わって説明を行う場合>

以下をリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の算定要件とする。

・訪問リハビリテーション計画について、当該計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得るとともに、説明した内容等について医師へ報告すること。ただし、この場合の評価は適正化することとする。

<リハビリテーション会議の頻度について>

・リハビリテーション会議の開催頻度について、過去に一定以上の期間・頻度で介護保険または医療保険のリハビリテーションに係る報酬の請求がある利用者におけるリハビリテーション会議の開催については、算定当初から3月に1回でよいこととする。【通知改正】

 

※    介護予防へのリハビリマネジメント加算が新設されました。

 

◆社会参加支援加算                     12単位/日 ・・・変更なし

 

◆生活行為向上リハビリテーション実施加算 (介護予防に新設)

3月以内  900単位/月、 3月超~6月以内  450単位/月

<算定要件等>

○ 以下の要件を算定要件とする。

・生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識若しくは経験を有する作業療法士又は生活行為の内容の充実を図るための研修を修了した理学療法士若しくは言語聴覚士が配置されていること

・生活行為の内容の充実を図るための目標及び当該目標を踏まえたリハビリテーションの実施頻度、実施場所及び実施時間等が記載されたリハビリテーション実施計画をあらかじめ定めて、リハビリテーションを提供すること

・当該計画で定めた指定介護予防通所リハビリテーションの実施期間中に指定介護予防通所リハビリテーションの提供を終了した日前1月以内にリハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションの目標の達成状況を報告すること

・介護予防通所リハビリテーション費におけるリハビリテーションマネジメント加算を算定していること

事業所評価加算との併算定は不可とする。

 

◆栄養改善加算                    150単位/回・・・変更なし

<算定要件等>

当該事業所の職員として、又は外部(他の介護事業所・医療機関・栄養ケア・ステーション)との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。

 

◆(新設)栄養スクリーニング加算    5単位/回

※6月に1回を限度とする

<算定要件等>

サービス利用者に対し、利用開始時及び利用中6か月ごとに栄養状態について確認を行い、当該利用者の栄養状態に係る情報(医師・歯科医師・管理栄養士等への相談提言を含む)を介護支援専門員に文書で共有した場合に算定する。

※    介護職員でも可能な栄養スクリーニングを行うことへの評価

 

◆(新設)リハビリテーション提供体制加算

図3

 

<算定要件等>

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)から(Ⅳ)までのいずれかを算定していること。

・指定通所リハビリテーション事業所において、常時、当該事業所に配置されている理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の合計数が、当該事業所の利用者の数が25又はその端数を増すごとに1以上であること。

 

◆短時間通所リハビリの面積要件等の緩和・・・医療保険と併用時

⇒サービス提供に支障がなければ併用可能など、要確認

 

◆計画書様式の見直し・・医療と介護の計画書の書式変更

 

※介護医療院については、別途介護医療院の稿を参照してください。

 

 

<参考資料>

〇社保審-介護給付費分科会 第 158 回(H30.1.26) 別紙 「平成30年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案」

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000192311.pdf

 

 

 

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