【医療介護あれこれ】COVID-19に伴う医療保険制度の対応について

長 幸美

アドバイザリー

先日12月18日に行われた中医協で、来年4月~9月までの限定的な診療報酬として、各医療機関等における感染症対策にかかる評価が行われることが了承されました。
現在、外来患者・在宅患者については、「院内トリアージ実施料300点」の算定が特例として認められていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、誰もがウイルスを保有している可能性があることを考慮して、初再診料に加算を算定できるようにするというものです。

新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療にかかる特例的な対応(案)

(出典:20201218_中医協「コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて」より)

実際に医療機関で実施している対策については、
① 病院への来訪者と入院患者が接触しないように動線を分ける
② 事務受付にはビニールシートやアクリル板の設置
③ 来院者の検温、アルコール消毒を促す係員を玄関に配置
④ 職員研修
⑤ 手指消毒、体温測定、マスクの着用などを徹底する
⑥ 集団療法の中止
などが挙げられていますが、その費用負担が今回の検討の課題になっているものと推察できます。

これまでの対応としては、重症者の入院については2倍から4倍の点数算定が認められ、重点的な評価が行われていましたが、今回は全般的に実施される感染対策について、診療料の加算として認めていこうということのようです。

さらに、中等症の患者に対する診療・管理のうち、呼吸不全管理を要する中等症以上のコロナウイルス感染症患者については、救急医療管理加算の5倍相当(4750点)を算定できることとすることも9月15日発出の事務連絡で出されています。

小児科へは、12月15日の事務連絡において、以下のように評価があり、令和3年9月末まで、医科においては100点、令和3年10月以降は50点の加算を算定することとされています。

新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療にかかる特例的な対応(小児科)

(出典:20201218_中医協「コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて」より)

COVID-19感染症の拡大など、厳しい状況が続いています。
どの医療機関もこの半年以上は厳重な感染対策等を行い、国からの助成金等で対応されてこられたことと思います。しかしながら、現状では感染経路を特定できない方も増え、私たちの身近に迫ってきているような感じを受けています。
長期化する自粛生活に疲れ、少しずつ緩んだ気持ちの中に入り込むように感染の拡大が広がっているようにも思います。不安な思いを感じておられる方も多いことでしょう。
地域の生活を守るためにも、必要な感染対策をしっかりと実施していく必要がありそうです。
いずれにせよ、今後の通知等を確認しつつ、適切に対応していきましょう!

<参考資料>
■新型コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて(中医協 総―1 2.12.18)
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000706834.pdf

■中央社会保険医療協議会総会(第470回)議事
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00085.html

医業経営支援課

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