どうなる税務調査?

光保 則子

税務・会計

国税庁は、新型コロナウイルス感染症の影響で、個人の所得税の確定申告の期限を3 月16 日から4 月16 日に延長しました。従来よりこの期間は、新規の税務調査は行われず調査件数は少なかったのですが、延長期間内は、所得税だけに留まらず、相続税、税理士が関与している法人への調査も、原則、新規調査に着手しない方針がとられていました。

その後、政府が4 月7 日に緊急事態制限を発し、不要不急の外出自粛の要請がされましたが、適正公平な課税の確保という観点から、もちろん税務調査が完全にストップしたわけではありません。ただし、解除された後も、納税者の個々の事情等を十分に配慮した措置がとられています。例えば、在宅勤務を導入している企業であれば、担当者の出社日も限られ書類の準備等にも時間がかかることが考えられるため、調査対応のためだけに出社を求めるというようなことはないようです。

国税局(税務署)は、7 月から新年度が始まります。その前に、国税庁では調査方針が話し合われます。当分の間は、コロナ禍前の調査体制に戻らず、継続して、納税者及び新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮した形での調査になるようです。特に、納税者への配慮については、感染者数の多少で地域差なく調査を実施するに当たっての前提となるようです。

しかし、情報セキュリティの等の観点からあくまでも、従来どおり対面による実地調査で行われることは変わらないため、十分な注意は必要であり、適切な対応を求めて行きたいと思います。

審理室 室長

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光保 則子
税務会計コンサルティング部 審理室 室長

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