【令和2年度診療報酬改定】ICT活用したカンファレンスについて

長 幸美

アドバイザリー

「カンファレンス」要件が課されている診療報酬は年々増えてきています。
介護業界では「担当者会議」という名称で、利用者のケアにかかわる方が一堂に会し、どのようなケアが必要か、どのようにサポートしていくか、検討することになっていますが、それが医療にも入ってきたような印象を受けています。

長く地域の中で住み続けることができるように支援し続けるためには、医療の介入が必要になります。高齢化がさらに進むにつれて、医療・介護を必要とする人口は増加するでしょう。その反面、生産人口は減少し、少ない人員で、現状の医療・介護を維持していく必要が出てきます。「働き方改革」は必要なのです。
このような中で、「働き方」を考えていくにあたっては、業務の効率化・合理化を考えざるを得ない状況があり、「会議・カンファレンス」はもちろんのこと、「研修会」「診療録の記載」「患者の電磁的同意」にまで、広がってきました。もちろん「オンライン診療」がその最たるものだと思いますが、もはやこの「ICT」避けて通ることはできないようです。
このため、大きな点数の変化がない部分も、通知を読み込んでいく必要があります。

対象となるカンファレンス要件の見直し項目は、次のスライドの左側に明記されています。

情報通信機器を用いたカンファレンス等の推進   (出典:令和2年度診療報酬改定の概要より)

 これらの項目の中で、一番ネックになっていたものは何でしょうか?
恐らく、医師の参加要件がある場合に先生方に参加をしていただけないということだったのではないかと思います。私も経験がありますが、先生方との日程調整がとても大変だったように思います。人数がいる医療機関であれば、複数名の先生にお願いすることができ、対応してもらうこともできますが、中小の病院は人員も少ないため、なかなか時間を調整するのが大変だろうと思います。ましてや診療所に至っては、おひとり若しくは2名の先生では、診療の合間にカンファレンスに出かけるのも、難しいと思います。

このような場合に、ビデオ通話(チャット、スカイプなど)を活用して、リアルタイムな画像を通した通話により、可能になったというのはかなり画期的だと思っています。通信機器ですので、いろいろな障害はあるかもしれません。しかし、先生方の限られた時間を有効に活用するという観点からは、私は取り組みを検討してみてもよいのではないかと思っています。

<参考資料>
〇令和2年度診療報酬改定の説明会資料より
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html

※03 2年度診療報酬改定の概要(働き方改革の推進)について

医業経営支援課

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