【令和2年度診療報酬改定】ニコチン依存症治療管理料の変更点

長 幸美

アドバイザリー

喫煙による健康被害は「がん」のほかにも、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患、さらに生活習慣病の糖尿病、妊娠周産期の異常(早産、低出生体重児、死産、乳児死亡など)、歯周病など、さまざまな病気の原因にもなることが報告されています。厚労省も医師会も「禁煙を推進する」活動を行われており、「ニコチン依存症治療管理料」により、診療報酬でも評価がついています。

この「ニコチン依存症治療管理料」について、画期的ともいえる変更がありました。
今回は、「ニコチン依存症治療管理料の変更点」について、一緒に見ていきましょう。

算定要件は、禁煙を希望する患者であって、スクリーニングテスト(TDS等)によりニコチン依存症であると診断されたものに対し、12週間 計5回の診療を1つの治療単位として禁煙のための総合的な指導及び治療管理を行うというものです。
これまでは対面での診療が必要で、なかなか継続的に通院することが困難な状況があり、中断する方もありました。
今回の改定では、この5回のうち、2回目から4回目について、オンラインでもよいとされています。

ニコチン依存症管理料の見直し(出典:令和2年度診療報酬改定の概要より)

さらに、「一連の包括払い」というものも出てきて、12週間 全5回 800点という算定方法と選択できることになりました。もちろんこれもオンラインとの組み合わせ可能です。
この場合、疑義解釈通知において、初回の算定時において「2 一連につき」を算定するか、これまで通り診療時に算定するかは、患者ごとに選択できるものとされています。

ともに、中断の場合等は電話等で連絡を取り受診勧奨することとされていますが、その理由を診療録に記載すること、連絡が取れない場合はその状況を診療録に記載すること、さらにはその受診しない理由の聴取については医師以外でもよいと疑義解釈の中で回答があります。

現在「ニコチン依存症治療管理料」の算定をされている医療機関もこれから検討しようと考えている医療機関もぜひこの変更点は抑えておきましょう!

<参考資料>
〇厚労省:令和2年度診療報酬改定の概要
「04「外来医療・かかりつけ機能」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196352_00001.html

※厚労省の改定についての説明会の資料と動画があります。
改定の方向性や意図を知るうえで、参考になります。

〇厚労省:令和2年度診療報酬改定について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html

※告示、通知、疑義解釈など、改定関係で厚労省から発出されているものが
まとめて掲載されています。

医業経営支援課

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