2018年 新年のご挨拶

佐々木 直隆

その他

近い将来、中国が米国を抜いてGDPで世界一となり、世界経済の成長を支えるのはアジアとなる。日本は少子高齢化で世界の先頭をいっている。2017年の人口動態の推計値では40万人を超える人口の自然減となった。本格的な人口減少時代に入り、加速度的に、特に生産年齢人口の減少が進んでゆく。かつて1900年に4千万人超であった日本の人口は、2000年代には1億2千万人超となった。100年で8千万人、1年平均すると80万人増えたことになる。今後は全くの逆となり、2009年をピークに日本の総人口は100年かけて100年前(明治後期)の水準に戻っていくといわれている。

現在GDPでは世界3位であるが、一人当りのGDPでは20位以下である。人口の多さが日本のGDPを支えてきたともいえる。製造業の人口比率が2割を切りますます減少していく中で、一人当り生産性が3割ほど低い非製造業の生産性をいかに高めていくかが課題である。考え方を変えれば、一人当り生産性が低いということはまだ伸びしろがあるということである。働き方改革がいわれているが、仕事のやり方を根本的に変えて時間当り単価をいかに上昇させるかを考えなければならない。

日本は少子高齢化社会を地域包括ケアシステムで対応しようとしている。基本になるのは地域共生社会をそれぞれの条件の異なった地域でどれだけ実現できるかにかかっている。そこでは公助だけでなく互助・共助という、自利利他の考え方が必要であると思う。便利さはどこまで必要なのか、24時間開いている店舗が本当に必要なのか。むしろ、医療・介護等の、支え、見守る業種に人をシフトすべきでないかと思う。我々自身が地域の在り方を考え、関わる必要があるのではないかと思う。

今年が皆様にとって佳い年でありますように。

 

2018年 元旦
佐々木総研グループ代表

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