【医療介護あれこれ】患者満足につながるコーチングⅡ~コミニュケーションとは~

長 幸美

アドバイザリー

先日行われた「医療職・介護職向けのコーチングセミナー」に参加してきました。
2年目、第二弾でしたが、とても新鮮な思いで受講してきました。
新人教育にお悩みの方、接遇にお悩みの医療機関様、コミュニケーションに課題を抱えている事業所様にも、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

コーチング①医療は感動を与える職業です」という言葉でセミナーは始まりました。
さあ、皆さんどのようにお感じになりますか?

 

コーチング②患者満足を考えるときに、「顧客満足(CS)の向上」ということが一番に頭に浮かんでくると思います。「顧客満足」という言葉に何を思い浮かべますか?
顧客満足を追求している企業として「ANA」「リッツカールトン」の対応や教育がよく出てきます。それと同時に「ES(職員満足)なくしてCS(顧客満足)なし」という言葉もよくお聞きになると思います。この職員満足は単に医療機関や企業が職員のために何かをしてあげたらそれでいいということではありません。
このことはのちに述べていきたいと思います。

サービスを受ける側は、「このくらいはしてくれるだろう」という一定の期待を込めてサービスを利用します。事前にサービスを受ける側の中に「合格ライン」が決められているということです。このラインを超えれば「満足」となり、超えなければ「不満・クレーム」となります。しかし、この「合格ライン」を超えただけでは「感動」は生まれません。

医療の場合は「治療結果」が良いことが最大の期待となっています。治ることが合格ラインです。けれど、すべての方が満足いくように治療が終わるとは限りません。難病のために治療法がなかなか見つからない場合もあるでしょう。厳しい状況で治療後の後遺症が残ることも考えられます。けれどそのすべてが「クレーム」になっているかというとそうではありません。

コミュニケーションの語源はラテン語でコミュニス=共有物という意味です。
相手」が存在して、何らかの「時間や空間や言葉やさらにはモノ」を含めて共有し合うことがコミュニケーションということでした。

そこで、先ほどの「ESなくしてCSなし」を考えてみたいと思います。

これは「顧客」は「外部・内部ともに自分以外のすべての人(相手)」であり、内部顧客の考え方について学び、「職員同士がお客様と同じように敬意を払い、コミュニケーションをとり情報の共有を図ること、そして、社員の充実こそが、真のお客様満足につながる」ということを意味しているのです。深い言葉ですね。

一緒に働く同僚が、後輩が、他部署の職員が、ひいては関係がある方々すべてが「内部顧客」であると意識してコミュニケーションを取り、業務にあたっているでしょうか?
全ての方に対して、敬意を払っていれば必然的に「敬語」を使う必要があるということは理解できますよね。「敬語」は「あなたを尊重しています」「大事に思っています」という意思表示の現れですから。

「目の前の”この方”のために何かがしたい」そういう強い思いが、奇跡を起こしたり、ここまでしてくれたのかという「感動」を生むのです。
そして、その感動はリピーターとなって返ってきます。
如何でしょうか?
今、しきりに言われている「チーム医療」や「地域連携」に一番必要なことではありませんか?

このコーチングの手法を使い、コミュニケーションを充実させることで、患者様だけではなく、職員にも地域にも、まさしく「win win!」良い方向になると思います。

また、コミュニケーションは「相手の気持ちに寄り添うこと」が第一番になるとセミナー講師は話されました。その相手の気持ちに寄り添うことは、「明るい」「ポジティブ」だけではありません。時には相手の辛さを受け止め、「共感すること」も必要になります

ジョハリの窓」と呼ばれる「対人関係における気づきのグラフモデル」というものがあります。コミュニケーションを高める為には、「視点を変えて物事を見ることにより、見え方が変わってくる」ということに気付く必要があり、研修はそのための気付きの場でもあります。それは、「気づいていない自分を知る」ことにあります。

コミュニケーションを円滑に進めていくためには、「自分を開いて相手に歩み寄ること」が必要です。つまり、Ⅰの窓が大きく開いているほうがコミュニケーションはとりやすい状況にあるということです。

コーチング③

けれど、私たちには、自分では気づいていないことや、上手にアピールできていない「自分」というものがあります。研修ではこの「Ⅱ盲点の窓」や「Ⅲ秘密の窓」の部分まで開放することにより「Ⅳ未知の窓」まで開き、円滑なコミュニケーションをとっていくことを気付くことにあると思います。

次回は、コーチングの基本スキルについてお話ししたいと思います。

経営支援課

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