医療法人のガバナンスについて

市川 隆志

アドバイザリー

最近、平成2891日施行の医療法改正に関するセミナーが、開催されております。その中でも、「医療法人のガバナンスに関する改正」が、関心を集めているのではないでしょうか。ここで、「ガバナンス」とは、「統治」を意味し、「皆をまとめて治める」という意味になります。今回のポイントは、要約すれば、より株式会社等に近づける内容になっております。具体的には、社団であれば、社員・社員総会、理事・理事会、監事の機能・役割・責任が、従来は、医療法人運営指導要綱やモデル定款で記載されてはいましたが、医療法で明記され、下記のように、非常に明確になりました。

1)①社員は、社団たる医療法人の最高意思決定機関である社員総会の構成員としての役割を担う。

    ②社員総会は、事業報告書等の承認や定款変更、理事・監事の選任・解任に係る権限があり、このこ

     とにより、法人の業務執行が適正でない場合には、理事・監事の解任権限を適切に行使し、適切な

           法人運営体制を確保することも責務である。

2)①理事は、理事会の構成員として、医療法人の業務執行の意思決定に参画する。

    ②また、忠実に職務を行う義務、法人に著しい損害を及ぼすおそれがある事実を発見したときの監事

           への報告義務などが課せられ、義務違反等の場合には損害賠償責任を負うことがある。

    ③理事会は、法人の業務執行を決定し、理事の職務執行を監督し、理事長を選出・解職する権限を持

           つ。

    ④理事長は、法人を代表し、法人の業務を執行する。また、自己の職務執行の状況を理事会に報告す

           る義務がある。

3)①監事は、医療法人の業務、財務の状況を監査し、毎会計年度、監査報告書を作成し、社員総会及び

           理事会に提出する。このため、監事には各種の権限が付与され、また、義務が課されている。

なお、即座に定款変更等の手続きは必要ではありませんのでご安心下さい。詳細につきましては、弊社担当者にお尋ね下さい。

 

         経営コンサルティング部 部長 

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