【医療介護あれこれ】「熱中症」予防について

長 幸美

アドバイザリー

nyudougumo今年も、暑い夏がやってきました。
博多っ子にとっては、一年に一度の大舞台、私どもの福岡オフィスがある「祇園町」も15日のクライマックスに向けて様々な行事が行われます。
本社のある北九州では小倉の「祇園太鼓」をはじめ、戸畑の「祇園大山笠」、黒崎の「黒崎祇園」など、多くの祭りがあるが8月の「わっしょい百万夏祭り」でクライマックスを迎えます。
暑い夏の到来とともに季節を感じる風物詩となっています。

さて、この時期から気になるのが、「熱中症」です。

「熱中症」とは、気温が高い状態が長く続き、発汗して、水分や塩分が失われてしまった状態で、熱がこもったまま身体の中の熱が放出されなくなってしまう状態です。「熱中症」には様々な症状があります。真夏だけではなく、梅雨の晴れ間のこの時期にも熱中症は多く、この時期は身体がまだ暑さに慣れていないため上手に汗をかくことができず、体温をうまく調節できないためだと考えられています。

 

natsubate_necchusyou_yobou少しでも症状がある場合は、木陰などの涼しいところで、ゆっくりと休む事が必要です。
また、ポカリスエットのような塩分やミネラルを補うようなものを、水分として意識的に摂取することも有効です。
高齢者や小児など、熱中症になっていても気付かない場合もありますので、特に注意が必要です。また、肥満傾向にある方や、環境変化があった方(例えば、中学1年生や高校1年生、社会人一年生など)、睡眠不足やストレスで疲れがたまってしまった方も、熱中症を起こしやすいといわれていて、注意が必要です。

 

熱中症」には、4つの種類があると考えられています。
①熱失神・・・熱を逃がそうとして皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳血流が減少して起こる症状で、脈は速く・弱くなる状態をいいます。

<主な症状> めまい、一時的な失神、顔面蒼白
<対処方法> 涼しい場所で、衣服をゆるめて寝かせ、水分(スポーツ飲料等)を飲ませることで楽になります。


②熱けいれん
・・・大量に汗をかいたときに、水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、足・腕・腹部の筋肉に痛みを伴っておこるけいれんが起こる状態を言います。

<主な症状> 筋肉痛、手足がつる、筋肉がけいれんする
<対処方法> 0.9%の食塩水を補給することで回復するそうです。


③熱疲労
・・・大量に汗をかいたときに、水分の補給が追いつかないと、身体が脱水状態になり倦怠感や吐き気・頭痛等の症状がみられます。

<主な症状> 全身倦怠感、悪心・嘔吐、頭痛、集中力や判断力の低下など
<対処方法> 熱疲労と同様に、涼しいところで、衣服をゆるめて寝かせ、水分(スポーツ飲料等)を飲ませることで楽になります。


④熱射病
・・・体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。
意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がおこり、ショック状態になる場合もあります。

<主な症状> 体温が高い、意識障害、呼びかけや刺激への反応がにぶい、言動が不自然、ふらつく、など
<対処方法> 非常に危険な状態です。
首すじ・わきの下・大腿部の付け根などの大きな血管を水やアイスパックで冷やし、体温を下げることが必要です。吐き気やおう吐などで水分補給ができない場合には病院に運んで、点滴を受ける必要があります。

 

万が一、熱中症が起きてしまった時には、適切に応急処置をする必要がありますが、次の3つの項目にひとつでも当てはまれば、すぐ医療機関を受診されることをお勧めします。
・本人の意識がはっきりしていない
・自分で水分や塩分(ナトリウム)が摂取できない
・症状がよくならない

毎年、何度か熱中症で亡くなられる方があり、熱中症とはいえ安易に考えていてはいけないなあと思います。

スポーツドリンクには、スポーツをするときのエネルギー源となるように、糖分が多く含まれていますので、小さな子供には向かないという事があります。家庭でも以下の分量で手軽に作れます。これは、もう10年ほど前でしょうか、保健所の方に教えてもらった熱中症対策飲料の作り方です。レモンがない場合は柑橘系のものであれば何でも良いようです。
柑橘水・・・1リットル
塩・・・小さじ1/2杯
砂糖・・・大さじ4杯
レモン汁・・・大さじ2杯
梅等のシロップで作っても良いのではないでしょうか?

 

suika昔は「梅干」を食べたり、スイカにお塩をかけて食べたり、酢の物をいただいたり、浅漬けをいただいたり・・・と、日常の生活の中で、塩分や体を冷やす効果のある食事をとるなど、知恵の詰まった暮らしをされていたのだなあと、考えるこのごろです。

現在、熱中症対策グッズなども、沢山作られているようですが、小まめに意識的に水分を取り、涼しく過ごせる環境を整えるなど、身の回りのこと、ご自身の体の声を聴いて、先人の方々の知恵を拝借しながら、この夏を元気に乗り越えましょう!

経営コンサルティング部
経営支援課

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