今後の労働行政の方向性

石井 洋

人事労務

今年4月に、 平成24年度地方労働行政運営方針 が厚生労働省から発表されました。これは厚生労働省が都道府県の労働局長に対して出す文書で、この方針に従って労働基準監督署は適正な行政運営に努めるように求められています。
つまり、この方針で示された重点項目については、特に法令順守の視点が求められる項目と言う事になりますので、どういった項目がこの方針に記載されているかを理解した上で、不十分な点が仮にあれば今後対策を行っていく必要があるのではないかと思います。

では、方針の中でどのような項目が重点項目として挙がっているのでしょうか。
例えば、ワーク・ライフ・バランスの実現という項目が大項目として挙がっており、その中から抜粋すると、

①育児休業、短時間勤務等を利用しやすい職場環境の整備
②過重労働の解消等のための働き方・休み方の見直し
③医療現場での勤務環境の改善に向けた取組の推進
④短時間正社員制度の導入・定着の促進

が挙げられています。
その他にも、近時、相談が増えてきた労働者のメンタルヘルス対策等への対応、という項目も盛り込まれています。

労働時間に関する部分は労働基準監督署の関心も高く、やはり今後も最大のテーマの1つであることは間違いありません。特に医療機関では、医療現場での勤務環境の改善という項目で、わざわざ別途に取り上げられており、その中で『夜勤を含む交代制などにより厳しい勤務環境に置かれている看護師等の「雇用の質」の向上が喫緊の課題』とされています。

実際に労働時間をいかに減らすかという部分は非常に難しい課題ではありますが、何に時間がかかっているのか、その業務をその人自身が行う必要があるのか、無駄な時間はないか等1つ1つを検討して対策を進めて頂ければと思います。

経営コンサルティング部 人事労務支援課 社会保険労務士

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