増加する認知症に対応する制度の見直し

市川 隆志

アドバイザリー

本年の8月24日に、厚生労働省がこれまでの各種施策の根拠としていた、認知症高齢者数の将来推計が大幅に見直されました。当初の推計よりも1.4倍程度になり、それに基づき、9月5日に 認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン) が、新たに公表されました。

半年前に、認知症への対応窓口として、認知症疾患医療センターを取り上げました。地域における認知症疾患医療の中心的役割を担う専門的医療機関で、全国で150か所程度の整備を目指していましたが、今後5年間で、このセンターを含めて、全国で500か所程度整備することになっています。

このように、制度そのものを見直さなければならない状況が差し迫ってきています。
今回は、その施策の中で、主な内容を確認していきたいと思います。

1.かかりつけ医認知症対応力向上研修の受講者数(累計)の増加
【考え方】高齢者人口約600人(認知症高齢者約60人)に対して、1人のかかりつけ医が受講

2.認知症サポート医養成研修の受講者数(累計)
【考え方】一般診療所(約10万)25か所に対して、1人のサポート医を配置

3.一般病院勤務の医療従事者に対する認知症対応力向上研修の受講者数(累計)
【考え方】病院(約8,700)1か所当たり10人(医師2人、看護師8人)の医療従事者が受講

4.認知症介護実践リーダー研修の受講者数(累計)
【考え方】すべての介護保険施設(約15,000)とグループホーム(約14,000)の職員1人ずつが受講。加えて、

小規模多機能型居宅介護事業所、訪問介護事業所、通所介護事業所等の職員については、すべての中学校区(約11,000)内で1人ずつが受講

5.認知症介護指導者養成研修の受講者数(累計)
【考え方】5つの中学校区当たり1人が受講

6.認知症地域支援推進員の人数
【考え方】5つの中学校区当たり1人配置(約2,200人)、当面5年間で700人配置

7.認知症サポーターの人数(累計)
平成24年度末見込 350万人⇒平成29年度末 600万人
医療機関・介護施設関係者のみならず、患者・患家である(または今後その可能性のある)我々も、全体の仕組みの中に入り込んでいます。認知症は、今後、さらに社会全体で取り組むべき課題なのです。

経営コンサルティング部 部長

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