【介護保険あれこれ】看取りのあり方について

長 幸美

アドバイザリー

前回の「介護保険あれこれ」の中で、「地域包括ケアシステム」を実現するための重要な要素として、「日常圏域の評価」とともに、「退院支援」「日常療養生活の支援」「急変時の対応」「看取り」の体制確保が重要であるということに触れてまいりました。

今回はこの中で「看取り」について考えてみたいと思います。

「看取り」については、今回の介護報酬改定の中でも重点課題として様々な事業所で加算として評価されているところでございます。
見取りを行ううえで、本人や家族の意向を十分に考慮したうえで、医療従事者と介護事業所が一体となって療養生活を支える対応が重要となってまいります。
また、亡くなる前の体の変化や本人や家族の不安を取り除くため、充分に時間をかけて話をする事が必要となってきます。亡くなった後、ご遺族様やかかわりを持ったスタッフに対し、悲しみを共有すること、振り返りやカンファレンスを行うなども必要となってまいります。

急激に増えている「サービス付き高齢者向け住宅」における「ターミナルケア」や「看取り」は、多くの事業所において、そこで働くスタッフたちが不安を抱えている状況でございます。
医療法人などが母体となっている住宅では、比較的スムーズな対応が検討され体制を整えているところがございますが、一般事業所の場合では、看取りに限らず夜間の対応に不安感を感じている職員が多いように思います。「ターミナルケア」を行うためには、医療従事者が歩み寄り、受け止めていくことが重要となってまいります。

人生の最終段階における医療については、主治医や訪問看護師から適切な情報提供と説明を受け、充分に話をしたうえで、患者本人による意思決定を基本として進めることが重要です。厚生労働省では、人生の最終段階を迎えた患者や家族と医療従事者が、最善の医療やケアを作り上げるための合意形成のプロセスを示すものとして、「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を策定しています。

人生の最期をどこで迎えるのか?
本人及び家族の思い(気持ち)をどう支えていくのか?
われわれは地域の中で、どう支えていけばよいのか?
地域包括ケアシステムを考える中で大きな課題に直面しているようです。

<参考資料>
患者の意思を尊重した人生の最終段階における医療体制について(厚労省)

在宅での看取りに関する手引き

病院での看取りに関する手引き

施設の看取りに関する手引き

経営コンサルティング部
経営支援課

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