損益計算書をもっと深く読んでみましょう

佐々木総研

税務・会計

毎月、監査担当者から、最新の試算表を受け取られると思いますが、損益計算書は売上高と利益を確認したら、それでお終いではもったいない!毎月の損益計算書には経営上の重大なヒントを見つける情報が詰まっているのです!

損益計算書をみると、売上高から、仕入高を差引き、さらに人件費をはじめさまざまな費用項目を差引いて、営業利益を計算しています。これに、営業外収益と営業外費用を加減算して経常利益を計算しています。

この計算の見方を変えてみて、仕入高と費用の性質に注目して、「売上高-変動費-固定費=利益」という観点からみてみましょう。「変動費」とは売上高の増減に比例して金額が増減する費用で、仕入高や販売手数料が代表的なものです。また、「固定費」とは売上高の増減とは関係なく一定額で発生する費用で人件費、設備費や管理費が代表的なものです。

(売上高-変動費)の計算結果を「限界利益」といい、これを売上高で割算すると「限界利益率」が計算されます。これが儲けの原動力を示す指標で、この率が大きい程収益力が強いことを意味します。つまり、経営を維持するうえで必ず発生する「固定費」を回収する収益力の強さを示す指標を意味します。ちなみに(固定費÷限界利益率)の計算をすると損益分岐点売上高(利益と損失の分かれ目となる売上高)が分かります。

この「限界利益率」が過去5年間で、どのように変化してきたかを捉え、「限界利益率」を上げて儲ける力を強めるには、どのような対策を打っていくかが経営者にとって永遠の課題と言えるでしょう。

また、「固定費」を適正水準に維持していくことも重要な経営課題です。無駄な固定費を減らすことが基本ですが、「固定費」を発生基である現状の経営資源が本来の能力を発揮しているかどうかに着目することも重要な視点です。つまり、従業員は十分に活躍し売上増加に寄与しているのか、設備は適切な規模で十分に稼動しているのかという点も常に経営者が考えていく課題と言えるでしょう。

soneki経営者がこのような思考を続けていけば、計画的な経営を続けることができ、スムーズな事業承継につながっていく土台にもなるものと考えます。

このような損益計算書の分析資料はEXCELを使えば、見易いものが簡単に作ることができますので、監査担当者がお届けした月次試算表や決算書を、是非、経営改善に役立ててください。

コンサルティング部 3課

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